ある日突然、YouTubeでスクリーンショットを撮ると『YouTubeがこのスクリーンショットを検出しました』という表示が出て驚いた――そんな経験をした方が急増しています。でも安心してください。それは不具合でもウイルスでもなく、Android 14によって導入された新しい通知機能によるものです。
今回この記事では、その仕組みや通知が出る理由、対処法などをわかりやすく解説します。
この記事で分かること:

- YouTubeで表示されるスクリーンショット検出通知の正体
- Android 14の新機能「スクショ検出API」とは何か
- 通知をオフにすることはできるのか、その方法と限界
- 今後他のアプリでも同様の通知が出る可能性と対処の考え方
突然現れる「スクショ検出通知」の正体とは

突然、YouTubeでスクリーンショットを撮っただけなのに、『YouTubeがこのスクリーンショットを検出しました』という通知が表示されて驚いた経験はありませんか?スマホの設定をいじったわけでもない、ウイルスに感染した気配もない。それなのに、まるで「あなたの操作が監視されている」かのような通知が出てきて、不安を感じた方もいると思います。
結論から言えば、これは異常やエラーではなく、Android 14で追加された正規の機能に基づいて表示されている通知です。この機能に対応したアプリが、ユーザーのスクリーンショット操作を検知し、「検出した」と通知を出す仕組みを取り入れた結果、あなたのスマホにこの表示が出るようになったというわけです。
ここでは、その通知の意味や仕組み、なぜ今それが表示されるようになったのか、さらにYouTube以外でも同じことが起きる理由を丁寧に解説していきます。
YouTubeで出る「スクショ検出通知」とは何か
YouTubeのアプリを利用していると、突然表示される「このスクリーンショットを検出しました」という通知。これは、ユーザーがスマホのハードウェアボタン(たとえば電源+音量ダウン)でスクリーンショットを撮影した際に、アプリ側がそれを検知し、「通知」という形で知らせているだけの動作です。
この通知は、次のような形式で表示されます。
| 表示内容 | 意味 | 発生条件 |
|---|---|---|
| YouTubeがこのスクリーンショットを検出しました | ユーザーがスクショを撮ったことをYouTubeが認識した | Android 14以上の端末+YouTube最新版+標準的なスクショ操作 |
この通知は「スクリーンショットを撮られた」ことをアプリが知るだけであり、画像がブロックされたり、データが削除されたりすることはありません。画像は通常通り、端末のフォトアプリなどに保存され、閲覧も可能です。
つまりこの通知は“警告”ではなく“情報表示”であり、アプリが新機能に対応して通知を出しているだけだと理解すれば、過度に不安を感じる必要はないのです。
Android 14で追加されたスクリーンショット検出機能
では、なぜ突然このような通知が出るようになったのでしょうか?その理由は、2023年以降にリリースされたAndroid 14に標準搭載された「スクリーンショット検出API」にあります。
これまで、Android端末では「ユーザーがスクショを撮ったかどうか」をアプリ側が検出することはできませんでした。しかし、Android 14ではこの制限が解除され、以下のような仕組みがOSに標準搭載されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 機能名 | スクリーンショット検出API |
| 提供元 | Google(Android OS開発元) |
| 主な目的 | スクショ撮影の検出による情報通知、安全性向上 |
| 対応OS | Android 14以降 |
| 対応条件 | アプリがAPIを明示的に導入していること |
この機能を利用することで、YouTubeなどのアプリはユーザーが撮影したスクリーンショットのタイミングをリアルタイムに把握し、トースト形式で通知を表示できるようになります。
これはプライバシー保護やセキュリティ向上の観点から導入されており、悪用を目的としたものではありません。
Geminiなど他アプリでも同様の通知が出る理由
スクショ検出通知が出るのはYouTubeだけではありません。たとえばGoogleが提供するAIアシスタント「Gemini(旧Bard)」でも、スクリーンショットを撮影すると「このスクリーンショットを検出しました」という似た通知が表示されるケースがあります。
これは、Geminiアプリも同じくAndroid 14のスクショ検出APIに対応しているためです。以下のような特徴があります。
| アプリ名 | スクショ通知の有無 | 目的・意味 |
|---|---|---|
| YouTube | あり | ユーザー操作の検出・案内 |
| Gemini(Google AI) | あり | 対話情報の保護・利用者への注意喚起 |
| Googleドキュメント | 一部あり | 文書情報の保護・ユーザー自覚促進 |
このように、Android 14と対応アプリの組み合わせが成立した場合、今後さらに多くのアプリで同様の通知が出る可能性があります。
これはシステム全体の進化によるものと理解し、「異常な動作」と誤解しないようにしましょう。
この通知は危険なのか?心配しなくていい理由

『YouTubeがこのスクリーンショットを検出しました』という通知が突然現れたとき、「これってウイルス?」「個人情報が漏れた?」と、かなり不安になった方も多いかもしれません。
ですが、安心してください。この通知はシステム上の正常な挙動であり、ユーザーにとって危険なものではありません。むしろ、スマホやアプリがあなたに対して「スクショが撮られたよ」とお知らせしてくれているだけなのです。
ここでは、なぜ「危険性はない」と言えるのか、その根拠を3つの視点から解説していきます。安心してスクショを使うために、正しい知識を持っておきましょう。
ウイルスや不正アクセスではないことを理解しよう
まず何よりも重要なのは、この通知はウイルスや不正アクセスによって表示されているわけではないという事実です。実際にこの現象が起きている多くのスマホでは、セキュリティアプリを使ってスキャンしても何の問題も報告されていません。
また、Googleの公式ドキュメントや、海外のAndroid専門サイト(例:Android Police, 9to5Googleなど)でも、この機能はAndroid 14の標準機能として導入されたものであり、悪意のある動作ではないと明記されています。
| よくある誤解 | 実際のところ |
|---|---|
| ウイルスに感染した? | いいえ、Android 14の機能による正規の通知です。 |
| 遠隔操作されてる? | いいえ、操作は端末内だけで完結しています。 |
| 誰かにスクショが送られた? | いいえ、画像はあくまで自分のスマホ内に保存されます。 |
不安を感じるのは当然ですが、これが通常の通知であることを理解すれば、気持ちはぐっと軽くなります。
YouTubeにスクショ情報が送信されているわけではない
もう一つの誤解は、「スクショを撮るとYouTubeやGoogleに画像が送られてしまうのではないか?」という不安です。ですが、これも現時点ではそのような仕組みは確認されていません。
スクリーンショット検出APIはあくまで「アプリ内で通知や反応を発生させるための仕組み」であり、スクショの画像データ自体をどこかへ送信するものではありません。
仮にスクショ画像を外部に送信するような機能が実装されている場合、それはプライバシー規約の大幅な改定が必要になりますし、各国の法制度(特にEUのGDPR、日本の個人情報保護法など)に違反する恐れがあります。現実的にそのような動作を正規のアプリが行うことはまずありません。
| 内容 | 送信の有無 | 備考 |
|---|---|---|
| スクショ画像そのもの | 送信されない | 端末のフォトアプリに保存されるだけ |
| スクショを撮ったという情報 | 基本的には端末内で処理 | 一部アプリがローカルログに記録する場合あり |
| Googleサーバーとの通信 | 自動アップロード等の設定がなければ行われない | Googleフォトの同期設定に注意 |
つまり、通知は「撮影されたことを知らせるだけ」であり、スクリーンショットの中身が外部に漏れることはないと考えて問題ありません。
表示されるのはあくまで「自分への通知」
この通知が怖く感じる理由の一つに、まるで「自分の行動が誰かに知られている」かのような印象を受けることがあります。ですが、実際にはこの通知は「あなた自身の端末だけに表示されるもの」であり、YouTube運営や動画の投稿者などに通知が届くわけではありません。
この通知はAndroidのAPIがユーザー操作を検出し、その情報をアプリが使ってローカル通知として表示しているだけのものです。つまり、スクショを撮ったことを「外部に伝える」のではなく、「あなたにだけ知らせる」ための表示なのです。
| 通知の受信者 | 表示の範囲 | 第三者への通知 |
|---|---|---|
| 自分(ユーザー) | スマホ画面上にのみ表示 | なし |
| YouTube運営 | 通知の表示情報を保持しない | なし |
| 動画投稿者 | 通知は一切送られない | なし |
つまり、見えるのは自分だけ。通知も、自分への「気づき」の一環だと受け止めれば、必要以上に恐れる必要はありません。
通知を出さないための対策はあるのか?

「スクリーンショットを撮っただけなのに毎回通知が出てしまうのは正直わずらわしい……」
そんな風に感じたことはありませんか?Android 14の機能としては便利な面もありますが、YouTubeなどを使っている際にいちいち通知が出るのは気が散るという人も多いはずです。
では、この通知はどうすれば止めることができるのでしょうか?通知を完全にオフにする方法はあるのか、あるいは回避的な方法はないのか。ここでは、実際にできること・できないことを表形式で整理しながら、対処の現実的な選択肢を解説します。
通知を完全にオフにする方法は現状存在しない
まず最も多く寄せられる疑問「この通知って設定で消せないの?」という点ですが、結論から言うと現時点(2025年12月)では通知を完全にオフにする方法は存在しません。
スクリーンショット検出APIはAndroid OSの仕様に基づいて動いており、これを利用しているアプリ(YouTubeなど)が通知を出すように設計している場合、ユーザー側ではその挙動を制御できません。以下に現時点での対応可否をまとめました。
| 方法 | 通知の抑制可否 | 備考 |
|---|---|---|
| YouTubeアプリの通知設定を変更 | ✕ | スクショ通知のカテゴリが存在しない |
| OSの通知設定でブロック | ✕ | APIレベルの通知には個別制御が不可 |
| 機種の独自設定(例:通知フィルター) | △ | 一部メーカーで可能な例もあるが非推奨 |
つまり、現段階では「通知が出ること自体を避ける明確な設定」は用意されておらず、これはシステム仕様として受け入れる必要があります。
スクショの方法を変えると通知が出ないこともある
「完全に通知をオフにできない」となると、次に試してみたいのがスクリーンショットを撮る方法を工夫するというアプローチです。実は、撮影方法によっては通知が出ない場合がある、という報告が複数存在します。
| 撮影方法 | 通知の有無 | 備考 |
|---|---|---|
| 電源+音量ダウン(標準操作) | あり | Android 14のAPIが反応 |
| 3本指スワイプ(ジェスチャー) | なしの報告あり | 機種依存で挙動が異なる |
| サードパーティ製のスクショアプリ | なしの報告あり | 検出APIと連動しない可能性がある |
このように、標準的なスクショ操作以外の方法を試すことで通知を避けられることもあります。ただし、これはOSや機種ごとに異なるため、万人に通用する方法ではありません。自分の端末で試して確認する必要があります。
OSやアプリの今後のアップデートで変更の可能性も
現時点では通知を制御できないとされているこの機能ですが、今後のAndroid OSやYouTubeアプリのアップデートによって「通知を制限できるオプション」が追加される可能性もあります。
実際、過去のAndroidアップデートでは多くのユーザーの声を受けて細かな通知制御機能が追加されてきました。以下はこれまでの通知制御改善の一例です。
| Androidバージョン | 追加された通知制御機能 |
|---|---|
| Android 10 | 通知チャネルの分類/個別ミュート対応 |
| Android 12 | アプリごとのバイブ通知制御 |
| Android 13 | 通知送信の許可を初回起動時に明示化 |
| Android 14 | スクショ検出APIの導入(新機能) |
この流れから見ても、ユーザーの要望が高まれば「スクショ検出通知のオン・オフを設定できる」機能が追加される可能性は十分にあります。今後のアップデートに注目しつつ、改善要望をGoogleやアプリ提供元に伝えることも、ひとつの方法と言えるでしょう。
まとめ

この記事のポイントをまとめます。
- YouTubeで突然出る「スクショ検出通知」はAndroid 14の新機能によるもの
- この通知はエラーでもウイルスでもなく、正常な動作
- スクリーンショット検出APIがAndroid 14に導入されたことが原因
- YouTubeアプリがこのAPIに対応したため通知が表示される
- 通知は端末内だけに表示され、他人に知られることはない
- スクリーンショット画像は通常通り保存され、黒くなったりしない
- 通知を完全にオフにする方法は今のところ存在しない
- 撮影方法を工夫することで通知を回避できる場合がある
- Geminiなど他のアプリでも同様の通知が出る例がある
- 今後のアップデートで通知の制御機能が追加される可能性もある
YouTubeでスクリーンショットを撮ると表示される「検出しました」という通知は、Android 14によって追加された新しい仕組みが原因です。これは不具合ではなく、アプリがユーザーに情報を伝えるための“気づき”のようなもの。ウイルスや漏洩の心配は不要です。今後のアップデートによって通知制御の柔軟性が増すことも期待されるため、慌てずに状況を見守りましょう。


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